日本語教師養成講座の模擬授業

 養成講座で日本語教師をめざす皆さんは、まじめに熱心に模擬授業に取り組んでくれます。努力の甲斐あってかなりよくなって来ました。

 初回には授業を終えたあと、とても悔しそうでした。本当はこんなはずじゃなかったという思いが強かったようです。最近では反発無く「なるほど~」という顔つきに聞いてくれて、みなさん変わっていきます。

 人前に出て話しをする経験の無い人が、いきなり模擬授業をやるなんて実は大変な苦痛を伴うのです。せっかく一生懸命に準備して模擬授業をやってもなかなかうまくいきません。うまくいかなかったことを受け入れたくないのも人間です。生徒役の周囲からも酷評が返ってきます。講師はそれをフォローしながらこうすればよくなるというポイントを説明したり実演して見せます。なるほどと思ったら、次回リベンジしてください

f:id:Kazukof:20200122192731j:plain

数年前のファンさん


と言って終わります。受講生の苦しい表情は私を苦しめます。夢に出てきます。言い方がきつかったなとか恨まれたかとか頭の中をぐるぐると駆け巡り眠れない夜が続きました。

 

 最初は受講生の顔はとても険しかったです。ほんとうはこうしようと思っていたけれど、模擬授業では違うことをしたのだと主張する人もいます。しかし提出していただいた教案にほんとうはしようとしていたことが書かれていなければその主張は認められません。もしかいてあれば、「この方がわかりやすいのでこちらをやったほうがよかったですね」で話は終わります。私は細かく教案の書き方は言わなかったのですが、今ではみなさん自分の教案を頼りに授業をするのだと考えて丁寧な教案を提出されるようになりました。

f:id:Kazukof:20200119173108j:plain

 人間はここまで変われるのかというくらい、受講生のみなさん、すばらしい進化、成長を見せてくれました。私もかなりだめだしをはっきりするようになります。たとえば、模擬授業で質問が出たとき、答えられなかったらスルーする人がいて、それは信頼をなくすから絶対だめといいます。そして質問が出たときの対処法を教えます。

 ①まず質問を整理し可視化するために板書する。

 ②それを書きながらみながら、考える。

 ③わからないときは似た例を挙げる。

 ④まったくわからないときは、時間が無いから、とか調べてくるからとか理由をつけて、この質問は来週答えるから待ってくださいと言って次にいく。

 

 初級前半の模擬授業は来週で終わりです。私もようやくぐっすり眠れるようになりました。習うより慣れろって名言です。